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化粧品のOEMとは?流れやOEMメーカーの種類、選び方を解説

  1. 2024.8.9

既にある化粧品ラインから新たな製品を打ち出したい、全くの異業種から化粧品販売に参入したい、自分の店で販売する化粧品を作りたいなど、さまざまな視点から化粧品販売をビジネスとして成長させたいと考えている企業や個人の方は多いのではないでしょうか。

しかし製造ノウハウや工場を持たない場合、新規参入はハードルが高くコスト面でも懸念があります。既に生産ラインを持っていても、リソースを割けない場合もあるでしょう。そこで注目されているのが化粧品製造業者に製造を委託するOEMです。本記事ではそもそも化粧品OEMとはどのようなことを指すのか、近年のOEMの動向とともに詳しく解説します。あわせて化粧品OEMの流れや、OEMメーカーの種類、選び方なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 

化粧品OEMとは?

化粧品OEMとは、化粧品の製造を専門業者に委託すること、または受託して製造する業者のことを指します。英語で「Original Equipment Manufacturing(OEM製造)」または「Original Equipment Manufacturer(OEMメーカー)」と表される言葉の頭文字を取って、OEMと呼んでいます。

製造設備を持たないファブレス企業が、自社ブランドの化粧品を製造するためには膨大な初期費用が必要です。個人の場合はなおさらのことでしょう。しかしOEMにより販売力のある企業や顧客を持つ個人と製造技術を持つ企業がタッグを組めば、既にある優れた技術を活用してオリジナル化粧品を製造できるのです。

経済産業省と日本化粧品工業連合会は産学官で構成する「化粧品産業ビジョン検討会」を立ち上げ、2021年7月に、初めてとなる化粧品産業の将来ビジョンを策定しました。この中で国内化粧品受託製造市場(事業者売上高ベース)は近年拡大傾向にあり、2019 年度には3,352 億円に上ったことが示されています。

化粧品販売企業とOEM企業の協力が日本の化粧品業界の発展に必要だとしている一方で、自社工場を持たずOEMで化粧品販売に参入する中小企業が増加している事実もあります。製造原価よりマーケティングや販促にコストがかかる化粧品は、OMEを活用して製造コストを抑えつつ、自分たちにはないノウハウで独自の製品を打ち出すことができる有用な手段といえるでしょう。

化粧品OEMの流れ

化粧品OEMにより、オリジナル化粧品を製造する過程を簡単に紹介します。なお、OEMの細かい流れはメーカーごとに異なるため、あくまで一つの参考としてください。

①企画、相談

初めにOEMメーカーの担当者と、ヒアリングを兼ねた打ち合わせを行います。打ち合わせでは、どのような製品の製造を考えているか、できるだけ明確な企画内容や、化粧品を製造する目的、これだけは譲れない希望などを伝えるとスムーズに話を進めることができます。例えば以下のような内容です。

もし企画段階から依頼したい場合は、まるごと一任できるまたは伴走してもらえるメーカーを選ぶことが必要です。

②仕様の決定、ビジョンの具体化

打ち合わせや企画の内容をもとに、希望を踏まえた製品イメージを具体化していきます。化粧品と一口にいっても、洗顔料や化粧水、乳液、クリーム、美容液などラインナップはさまざまです。委託側の希望に合わせてフルラインナップで製造するのか、基本のスキンケアだけにするのか、または美容液やクリームといったスペシャルアイテムだけを製造するのかなど細かい点を決めていきます。

さらにイメージするターゲットをもとに訴求したいスキンケア効果や、取り入れたい成分、原価、予定販売数などを決め、製品の全体的な仕様を固めていきます。

③サンプル提出

おおよその仕様が決まったら、サンプル品の製造が行われます。サンプルの改良回数はメーカーによって異なりますが、多くの場合依頼企業側が納得するまで繰り返し行われます。同時に製品の安全性の確認や、希望によってはパッチテスト、防腐力試験などを行うこともあります。

④処方・仕様の決定、安定性試験の実施

サンプルの中から納得のいくバルク(容器に入っていない製品そのもの)が決まったら、製品の処方を決定し、容器や外箱のデザイン、シュリンクの有無などの仕様を決めます。またバルクと容器の相性に問題がないか、安定性試験も行われます。全てに問題がなければ発注ロット数を決め、最終的な見積りを確認したのち、契約書を交わすことになります。

少しの仕様変更が見積りに影響するため、最終契約をする前に細かくチェックしておきましょう。あわせて納品スケジュールや、追加発注時のリードタイムまで確認しておけば、販促スケジュールも組み立てやすくなります。

⑤薬事申請、製造開始、納品

メーカー側は薬事申請などを行い、バルクの製造を開始します。容器に注入する際も品質管理が行われ、さらに製造後も不良品チェックなどが行われます。問題なく仕様通りの製品が仕上がれば、晴れて納品となります。

化粧品OEMメーカーの種類

化粧品OEMのメーカーにはいくつか種類があります。OEMメーカーは製品の製造のみを受託する企業のため、自分たちで企画し、コンセプトや処方なども決まっていて、製造のみを依頼した場合は一般的なOEMメーカーに依頼するとよいでしょう。

しかし企画やコンセプトがまとまっていない、処方といわれても専門的な知識やノウハウがなくわからないという場合は「ODMメーカー」と呼ばれる、企画から製造までのほとんどの工程を一任できるメーカーに依頼する方法があります。

ただOEMメーカーとODMメーカーの区別は非情に難しくなっており、OEMメーカーでも委託側の希望に合わせて企画立案からサポートするといったODMと変わらないサービスを提供しているOEMメーカーも多くなっています。つまりOEMかODMかで委託するメーカーを決めるのではなく、自社の状況や目的に合うサポートを行ってくれるメーカーを選ぶことが重要です。

よく似ているOEMとPBの違い

OEMとよく似た製造形態にPB(プライベートブランド)があります。PBとはコンビニやスーパー、ドラッグストアといった小売業を営む企業が自社で企画開発し販売する、独自のブランドのことです。製造は他の企業に委託することが多いため、形式的にはOEMと変わりません。

PBとOEMの大きな違いは、PBブランドの製品を自社またはグループ企業のみで販売し、同業他社に卸さないことです。「ここでしか手に入らない」という点が強みとなり、他社との差別化が図りやすいのがPBの特長です。

化粧品OEMメーカーの選びのポイント

化粧品のOEMメーカーは、ネットで検索したりOEMの展示会などで探したりすることができます。ここではメーカー選びに役立つポイントを5つ紹介します。

OEMメーカーの強みと作りたい化粧品の特長が一致している

OEMメーカーはそれぞれ独自のカラーや強みを持っています。OEMメーカーの強みと、自社で作りたいと考えている化粧品の特長が一致しない場合、必然的に納得の行くものができない可能性があります。

例えばプラセンタを使用した化粧品を作りたいと考えていても、OEMメーカーにプラセンタを製造・加工する技術がなければ思い通りの製品を作ってもらうことはできないかもしれません。そのためどのような化粧品の製造を考えているのかある程度明確にしておき、それを実現可能なメーカーを選ぶことが必要です。

高い技術力・開発力を備えているか

化粧品を製造するためには、化学や生物学、薬学などの専門知識が必要です。特に新しい処方を考えたり新技術を開発したりするには長く研究期間を必要とすることもあり、とても素人が手を出せる業種ではありません。

そのためOEMメーカーには適切な環境が整ったラボや製造ラインがあり、研究や開発技術を持った人材がそろっている、そして委託側の希望を取り入れた商品の企画や処方の設計ができ、安全性検査も可能など、トータル的な技術力や開発力のあるメーカーに依頼することが大切です。例えば「独自に化粧品成分を開発・製造している」「新技術を開発した」などは、技術力の高さを押し測る一つの指標となるでしょう。

品質管理体制が整っているか

化粧品は人の肌に直接塗布するもののため、高い安全性が求められます。そのために厳格な品質管理体制が整っているかは、OEMメーカーを選ぶ上で重要なポイントです。各製造工程で必要な試験や検査が行われているか、安全面に配慮された原材料を使用しているかなどもOEMメーカーを選ぶ基準になります。

小ロットから対応可能か

新規に化粧品事業を展開する場合、まずスモールスタートから始めて確実な実績を積み上げたいと考えている企業や個人も多いのではないでしょうか。いきなり大量製造して売上が芳しくなかった場合、多くの在庫を抱えることになります。小ロットから製造できれば、こうしたリスクを低減できるでしょう。市場での評価を交えながらトライアンドエラーを繰り返し、さらに良い製品の製造につなげることもできます。

アフターフォロー体制が整っているか

納品後のアフターフォローも注目しておきたいポイントです。どのようなアフターフォローが受けられるかはOEMメーカーによって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。製造後も販売状況やトレンドに合わせて改良の提案など行ってくれるOEMメーカーなら、長く信頼関係を保ちながら事業を展開できるでしょう。

プラセンタ製造に強み!化粧品OEMメーカー「カリテスラボ」の特長

カリテスラボはプラセンタ原料の製造・販売や化粧品OEMなどを行っている企業です。20年以上にわたりプラセンタ抽出技術研究を積み重ね、長く不可能だった100%純プラセンタの抽出を可能にするなど、高い技術力が強みです。ここではカリテスラボのOEMの特長をご紹介します。

馬プラセンタに特化した商品の開発が可能

カリテスラボではプラセンタの中でも特に馬プラセンタに注目し、製造・販売を行っています。安全性が高くアミノ酸が豊富な馬プラセンタは美容に詳しい方々の間でも注目されている成分。オーガニック環境で育った放牧馬から採取した良質な胎盤を使い、より安全性の高いプラセンタを製造しています。カリテスラボではこのプラセンタを使用した化粧品OEMの相談も受け付けています。

企画から相談可能

カリテスラボでは化粧品製造に関して、具体的な企画が決められていない場合でも相談を受け付けています。作りたい化粧品のイメージや要望、販売予定数などに合わせ、製造イメージを具体化。希望をかなえるバルクの処方、容器のデザインや包装などについてのアドバイスも行っています。初めての化粧品製造でも、スムーズに取り組みやすいサービスを提供しているのがカリテスラボのOEMの特長です。

小ロットから製造可能

小ロットからの製造が可能なため、最小限の費用で独自の化粧品製造・販売を実現することができます。まずはスモールスタートから事業を展開したい企業や、個人でオリジナルの化粧品を作りたい方など、さまざまなニーズに応えることが可能です。もちろん大口注文も受け付けています。

化粧品OEMは独自ブランド化粧品開発でビジネス拡大を後押しする

化粧品製造・販売に新規参入する異業種が増えたことで、これまで大手化粧品メーカーの製造の一端を担うのがメインだった化粧品OEMのイメージは大きく変わりつつあります。PB製品を販売する小売業などが、独自ブランドの化粧品を展開することも珍しくありません。2022年には電気通信機器や家電などを製造販売するシャープが、化粧品事業に参入すると発表したことは記憶に新しい方も多いでしょう。

化粧品OEMは化粧品業界を支えるだけでなく、他業種の新たなビジネスチャンスをサポートする鍵となる手段の一つとなっています。化粧品OEMを検討しているなら、ぜひカリテスラボにお気軽にお問い合わせください。

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