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化粧品OEMの費用
徹底解説!相場から隠れコストまで
全公開

  1. 2024.9.3

化粧品ブランドの立ち上げを考えている方必見!本記事では、化粧品OEMにかかる費用を詳しく解説します。化粧品OEMの仕組みや作れる化粧品の種類、さらには相場感まで、これから化粧品ビジネスを始める方に役立つ情報をお届けします。独自ブランドの夢を実現するための第一歩として、化粧品OEMの世界を紐解いてみましょう。

化粧品OEMとは?仕組みと利点を解説

化粧品OEM(オーイーエム)は、自社ブランドの化粧品を他社に製造委託する方法です。「OEM」は、「Original Equipment Manufacturer」の略語です。この方式を利用することで、自社で製造設備をもたなくても、オリジナルの化粧品を市場に出すことができます。

化粧品OEMの仕組み

化粧品OEMの仕組みを知るためには、生産の流れを知ることが一番です。
以下に、各工程と担当者、作業の内容を表にしました。

工程担当内容
ステップ1ブランドオーナー製品コンセプトを企画
ステップ2両者製品仕様を決定
ステップ3OEMメーカー試作品を制作
ステップ4ブランドオーナー試作品の評価と改良
ステップ5OEMメーカー量産と品質管理
ステップ6OEMメーカー完成品の納品

この仕組みにより、ブランドオーナーは製品開発に集中し、製造の専門性はOEMメーカーに任せることができます。

化粧品OEMの利点

化粧品OEMの主な利点は以下のとおり、5つ挙げられます。

  1. 初期投資の抑制
  2. 専門知識の活用
  3. 製品開発の迅速化
  4. リスク分散
  5. 多様な製品ラインナップ

順番に解説していきます。

初期投資の抑制

自社工場の設立や設備投資が不要なため、初期コストを大幅に削減できます。一般的な製造業における全自動化ラインの導入には高額な初期投資が必要です。その範囲は、数千万円から数億円に及ぶともされています。

専門知識の活用

OEMメーカーの技術と経験を活かせるため、高品質な製品を効率的に開発できます。たとえば、安定性試験や経時変化の予測など、専門的なノウハウを活用できるのが特徴です。

製品開発の迅速化

既存の製造ラインを利用できるため、アイデアから製品化までのリードタイムを短縮できます。一般的に、自社開発の場合1〜2年かかる製品化が、OEMを利用すれば半年程度で実現可能です。

リスク分散

生産量の調整が容易なため、市場の需要変動に柔軟に対応できます。たとえば、季節商品や限定商品の製造にも適しています。

多様な製品ラインナップ

異なる製品カテゴリーを同時に展開できるため、総合的なブランド構築が可能です。

ある研究所が実施した化粧品市場に関する調査を実施(2023年)によると、国内化粧品市場規模は約2兆4,000億円に達しています。この巨大市場に、OEMを活用することで新規参入のチャンスが広がっています。

OEMで作れる化粧品の種類と特徴

OEMで製造可能な化粧品は多岐にわたります。たとえば以下のようなラインナップです。

OEMで作れる化粧品の主な種類と特徴を表にまとめました。

製品カテゴリアイテムOEMとの相性特徴具体例
スキンケア化粧水、美容液、クリームなど肌タイプや年齢層に合わせた製品開発が可能保湿、美白、エイジングケアなど、多様なニーズに対応・ヒアルロン酸配合の高保湿化粧水
・ビタミンC誘導体入り美白美容液
ヘアケアシャンプー、トリートメント、スタイリング剤など髪質や悩みに特化した製品開発が可能ダメージケア、ボリュームアップ、カラーケアなど、多様な機能・アミノ酸系洗浄成分を使用した低刺激シャンプー
・熱ダメージを防ぐヘアオイル
メイクアップファンデーション、口紅、アイシャドウなどトレンドに合わせた色や質感を追求できるカラーバリエーションの豊富さ、長時間付けていても崩れにくい処方・カバー力の高いクッションファンデーション
・マットな質感の落ちにくいリップスティック
ボディケアボディソープ、ボディクリーム、日焼け止めなど季節性や使用シーンを考慮した製品設計ができる全身用の大容量タイプから、部分用の小容量タイプまで幅広く展開可能・オーガニック成分配合のボディミルク
・ウォータープルーフタイプの日焼け止め乳液
男性向けスキンケア、ヘアケア、フレグランスなど近年需要が急速に拡大している分野さっぱりとした使用感、多機能性(オールインワンタイプ)が人気・髭剃り後の肌を整える化粧水
・頭皮ケアができるスカルプシャンプー

経済産業省が公表した「令和3年化粧品製造業実態調査報告書」によると、2021年度の化粧品生産金額の内訳は以下のとおりです。

この統計からは、スキンケア製品が最も大きな市場シェアをもっており、1兆円以上の規模になることがわかります。

化粧品OEMにかかる費用の相場を公開

化粧品OEMの費用は、製品の種類、数量、原料の品質などによって大きく変動します。ここでは、目安となる一般的な相場感をお伝えします。

最低ロット数と費用

代表的なアイテムとして、スキンケアとメイクアップ、ヘアケアについて、それぞれの概算例をご紹介します。

製品数量概算例
スキンケア3,000〜5,000個保湿クリーム 50g、5,000個で約400万円
メイクアップ5,000〜10,000個リップスティック、10,000個で約800万円
ヘアケア3,000〜5,000個シャンプー 300mL、5,000個で約450万円

これらの数字は、製品の仕様や原料の選択によって変動します。高級原料や特殊な容器を使用する場合、コストは上昇するため、参考例として捉えてください。

原料費

経済産業省によると、コスト構造における化粧品の原価は、25%を占めるとされています。

これは、そんなに大きくない割合であることを示していて、化粧品を作るときの原価率は決して高くはないとされています。しかし、一般的な原料ではなく、希少植物エキスなどの高級原料を使用したり、パッケージにこだわる場合は、製品コストの40〜50%以上になる場合も少なくありません。

美容液を100mL、化粧水を100mL、それぞれOEMで生産した場合の費用感を表にまとめてみます。

アイテム一般的な原料の場合高級原料の場合容器・包装費
美容液100mL約300〜400円/個約500円以上/個製品コストの20〜30%程度
化粧水100mL約100〜150円/個約200〜250円/個

これらの数字は、あくまで目安であり、実際の費用は個別の案件や製造条件によって大きく異なる可能性があります。また、数量によってスケールメリットが働き、1個あたりのコストが下がることもあります。

化粧品OEM成功のための注意点と隠れコスト

化粧品OEMで成功を収めるためには、以下の点に注意が必要です。それぞれの項目について、具体的な解決策とそれに伴って必要となる「隠れコスト」の例を見ていきましょう。

品質管理

製品の品質は、ブランドの生命線です。定期的な品質チェックと改善のための追加コストを見込んでおく必要があります。

具体的な解決策・製造ロットごとの品質検査を実施する
・定期的に外部機関による検査を受ける
・クレーム対応システムを構築する
隠れコスト例・追加の品質検査費用:年間約50〜100万円
・クレーム対応のための人件費:月間約20〜30万円

法規制対応

化粧品は薬機法をはじめとするさまざまな法規制の対象となります。法令遵守のための専門家への相談費用も考慮しましょう。

具体的な解決策・薬事法務の専門家と顧問契約を結ぶ
・定期的に法規制の最新情報をチェックする
・表示や広告の適法性を確認する
隠れコスト例・薬事法務専門家への顧問料:月間約10〜20万円
・法規制対応のための社内教育費:年間約30〜50万円

マーケティング戦略

製品開発だけでなく、効果的なマーケティング戦略も重要です。広告宣伝費やSNS運用費なども計画に入れましょう。

具体的な解決策・ターゲット顧客を明確に定義する
・複数のマーケティングチャネルを活用する
・インフルエンサーマーケティングを検討する
隠れコスト例・SNS広告費:月間約50〜100万円
・インフルエンサー起用費:1回あたり10〜50万円
・マーケティングコンサルタント費用:月間約30〜50万円

在庫管理

需要予測を誤ると、過剰在庫や機会損失につながります。スケールする際には、適切な在庫管理システムの導入も検討しましょう。

具体的な解決策・需要予測ソフトウェアを導入する
・小ロット生産と機動的な追加発注を組み合わせる
・定期的に在庫状況を分析し、SKU(在庫管理単位)の最適化を行う
・季節変動や市場トレンドを考慮した在庫計画を立てる
隠れコスト例・在庫管理システム導入費:初期費用約100〜200万円、年間運用費約30〜50万円
・過剰在庫による保管費用:月間約10〜20万円/100平方メートル
・機会損失:需要に対応できないことによる売上減少(年間売上の5〜10%程度)

知的財産保護

独自の処方や商標の保護は重要です。特許出願や商標登録の費用も忘れずに済ませておく必要があります。

具体的な解決策・製品開発段階から特許性を検討する
・商標は早期に出願し、国際登録も視野に入れる
・競合他社の知的財産権を定期的に調査する
隠れコスト例・特許出願費用:1件あたり約30〜50万円(弁理士費用含む)
・商標登録費用:1区分あたり約10〜20万円(国内のみ)
・知的財産コンサルタント費用:月間約20〜30万円

急な原料価格の上昇

世界情勢の変化で原料費が高騰する可能性があります。例えば、天候不順による植物原料の不作や、為替変動による輸入原料の価格上昇などが考えられます。

具体的な解決策・複数のサプライヤーと取引関係を構築する
・代替原料の研究開発を行う
・原料の先物契約を検討する
隠れコスト例年間売上の3〜5%程度

追加の品質検査

問題発生時の緊急検査費用を見込んでおきましょう。たとえば、市場からのクレーム対応や、予期せぬ品質トラブルへの対処などが考えられます。

具体的な解決策・緊急時の検査体制を事前に構築する
・外部検査機関との連携を強化する
・品質保証保険への加入を検討する
隠れコスト例年間製造原価の1〜2%程度

パッケージデザインの変更

市場反応に応じた改良費用も考慮が必要です。消費者の嗜好変化や競合製品の登場により、急なデザイン変更が必要になることがあります。

具体的な解決策・フレキシブルなパッケージデザインを採用する
・デザイン会社と長期的な関係を構築する
・定期的な消費者調査を実施する
隠れコスト例1回のデザイン変更につき約50〜100万円

ここで紹介してきたような「隠れコスト」をどれだけ絞って展開できるかによって、売上を上げられるかどうかが決まるといっても過言ではないでしょう。

化粧品OEM成功事例の紹介

化粧品OEMを活用して成功をおさめたブランドの事例を紹介します。これらの事例から、成功のポイントを学ぶことができるでしょう。

ナチュラルコスメブランドA社

エコなライフスタイルが好まれるような時代の流れを組んで、幅広い世代に訴求する商品を開発した例を紹介します。

特徴オーガニック原料にこだわり、環境に配慮したパッケージを採用
成功要因・明確なブランドコンセプトと一貫したマーケティング
・SNSを活用した口コミ戦略
・小ロット生産から始め、需要に応じて段階的に生産量を増加
結果創業3年で年商10億円を達成

美容医療クリニック発のスキンケアブランドC社

美容医療への関心が高まる現代、綿密な市場調査と販売戦略をもって、成功した例です。

特徴医療の知見を活かした高機能スキンケア製品
成功要因・医師監修による信頼性の高い製品開発
・クリニックでの販売実績をベースにしたマーケティング
・OEMメーカーとの緊密な連携による品質管理
結果創業2年で大手化粧品会社にM&Aされ、ブランド価値が大幅に向上

これらの成功事例から、以下のポイントが重要であることがわかります。

化粧品OEMで夢を実現

化粧品OEM(オーイーエム)は、自分だけのブランドを作る夢への第一歩といえます。費用面では、製品の種類や数量、原料の選択によって大きく変わりますが、事前の十分な調査と計画が成功の鍵となります。初期投資は決して小さくありませんが、消費者のニーズを的確に捉え、独自性のある製品を開発することで、大きな成功につながる可能性があります。

本記事で解説した費用の相場や隠れコストを参考に、慎重かつ大胆な計画を立てましょう。また、成功事例から学んだポイントを自社の戦略に取り入れることで、成功への近道を見出すことができるでしょう。

化粧品OEMの世界は、挑戦と創造の機会に満ちています。市場のトレンドや消費者のニーズが急速に変化する現代において、OEMの柔軟性と専門性は大きな武器となります。自社の強みを活かし、OEMメーカーの技術力を借りることで、魅力的な製品を効率的に開発・製造することができます。カリテスラボではスキンケア化粧品やドリンクを中心にさまざまな美容アイテムのOEMに注力しております。高品質のこだわりつくした化粧品を販売したいとお考えの方はぜひお問い合わせください。

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